
健康な妊娠のために特別な食事法は必要ありません。必要なのは、いくつかの大切な栄養素を少し多めにとること、いろいろな食品を食べること、そして避けたい食べ物の短いリストを知っておくことです。時期ごとに大切なことをまとめました。
どのくらい多く食べればいい?
思っているより少なめで大丈夫です。「2人分食べる」というのは誤解です。
| 時期 | 1日に追加するカロリー(単胎) |
|---|---|
| 初期(1〜13週) | なし |
| 中期(14〜27週) | 約340kcal |
| 後期(28〜40週) | 約450kcal |
340kcalは、全粒粉トースト1枚にピーナッツバター、牛乳1杯くらいです。双子を妊娠している場合や、妊娠前にやせ気味だった場合はもっと必要なので、医療者に相談しましょう。
特に大切な栄養素
葉酸
葉酸は、二分脊椎などの神経管閉鎖障害を防ぎます。これは妊娠ごく初期、妊娠に気づく前にできることが多いものです。理想は妊娠前から少なくとも12週まで、1日400〜800μgを摂り、緑の葉野菜、豆、レンズ豆、葉酸を加えたシリアルなども食べましょう。くわしくは妊娠中のビタミンのガイドへ。
鉄
妊娠中は血液量が最大50%増えるため、鉄の必要量はほぼ2倍の1日27mgになります。貧血は妊娠中期にもっとも多い栄養不足です。赤身の肉、鶏肉、魚、豆、レンズ豆、豆腐、鉄を加えたシリアルがよい供給源です。
たんぱく質
赤ちゃんの筋肉、臓器、脳はたんぱく質からつくられます。卵、乳製品、肉、魚、豆類、豆腐、ナッツ、種実類から、1日70〜100gくらいを目安にとりましょう。
カルシウムとビタミンD
赤ちゃんの骨格は妊娠中期から後期にかけて固まっていきます。乳製品、カルシウム入りの植物性ミルク、カルシウムで固めた豆腐、アーモンド、緑の葉野菜から1日1,000mgのカルシウムを、吸収を助けるビタミンD(600IU、つまり15μgがよくある目安)と一緒にとりましょう。
オメガ3(DHA)
DHAは、妊娠後期にもっとも速く育つ赤ちゃんの脳と目を支えます。サーモン、いわし、ますなど、水銀の少ない青魚を週2回食べるのが理想です。魚を食べない場合は、藻類由来のDHAサプリについて相談しましょう。
ヨウ素
ヨウ素は甲状腺と赤ちゃんの脳の発達を支えます。妊娠期向けサプリに含まれているか確認しましょう(150μgが一般的)。※日本では海藻からの摂りすぎにも注意が必要です。
時期ごとの食べ方
妊娠初期。 いちばん大切なのは葉酸です。つわりがつらいときは、完璧な食事を気にしなくて大丈夫。2時間おきに少量のあっさりしたものを食べ、においの少ない冷たいものを選びましょう。つわり対策のコツもどうぞ。
妊娠中期。 たいてい食欲が戻ってきます。たんぱく質、カルシウム、鉄を意識しましょう。妊娠糖尿病はこの時期に起こりやすいので、甘い飲み物、白いパン、加工されたおやつは控えめに。
妊娠後期。 赤ちゃんが生後6か月分の鉄をためるため、鉄の必要量がピークになります。お腹が赤ちゃんでいっぱいになったら、1日3回の大きな食事より5〜6回の小さな食事のほうが楽で、胸やけ対策にもなります。
妊娠中に避けたい食べ物
ほとんどのルールは、リステリア、サルモネラ、トキソプラズマといった感染を避けるためのものです。まれですが、妊娠中は重くなることがあります。
| 避けたいもの | 理由 | より安全な代わり |
|---|---|---|
| 加熱殺菌されていない牛乳、チーズ、ジュース | リステリア | 加熱殺菌されたもの |
| 白カビの軟質チーズ(ブリー、カマンベール)や青カビの軟質チーズ(湯気が出るまで加熱すればOK) | リステリア | チェダーなどのハードチーズ、加熱した軟質チーズ |
| 生や加熱不十分な肉、鶏肉、卵 | サルモネラ、トキソプラズマ | 中までしっかり加熱しピンクの部分がない状態に。卵は黄身まで固く、または殺菌卵 |
| ハムやソーセージなどの加工肉(湯気が出るまで加熱すればOK) | リステリア | 調理したての肉 |
| 冷蔵のスモークサーモンなどの燻製魚やパテ | リステリア | 缶詰、または料理で加熱したもの |
| 生の魚介(刺身、寿司、生がき) | 細菌や寄生虫 | 加熱した具の巻き寿司、加熱した魚介 |
| 水銀の多い魚:サメ、メカジキ、キングマッカレル、アマダイの仲間、メバチマグロ、カジキ | 水銀が赤ちゃんの神経系に影響することがある | サーモン、いわし、ます、たら、ツナ缶 |
| レバーやレバー製品 | ビタミンAのとりすぎ | ほかの赤身の肉 |
| アルコール | 安全とわかっている量はない | ノンアルコール飲料 |
カフェインは1日200mg以下に抑える必要もあります。コーヒーや紅茶、炭酸飲料でどのくらいになるかはカフェインのガイドをご覧ください。
手軽な献立のアイデア
- 朝食: ベリーと刻んだナッツをのせたミルクオートミール、またはほうれん草入りスクランブルエッグと全粒粉トースト。
- 昼食: レンズ豆と野菜のスープ、または鶏肉とキヌア、焼きパプリカのサラダ。
- 夕食: さつまいもとブロッコリーを添えたサーモンのオーブン焼き、または豆のチリと玄米。
- 間食: フルーツヨーグルト、にんじんとフムス、チーズとりんご、ひとつかみのアーモンド。
ベジタリアンやヴィーガンの方は、植物性中心の妊娠生活のガイドで気をつけたい栄養素をチェックしましょう。
よくある質問
妊娠中にチーズを食べてもいい?
はい、ほとんどのチーズは大丈夫です。ハードチーズや、モッツァレラ、カッテージチーズ、クリームチーズなど加熱殺菌された軟質チーズは安全です。白カビや青カビの軟質チーズは、湯気が出るまで加熱しない限り避けましょう。
妊娠中にお寿司を食べてもいい?
生の魚を使ったお寿司は避けましょう。加熱した魚やゆでえび、野菜の巻き寿司なら大丈夫です。
妊娠中に卵を食べてもいい?
はい。白身と黄身が固まるまで加熱するか、手づくりマヨネーズのように生卵を使うものには殺菌卵を選びましょう。
出典
- ACOG: Nutrition during pregnancy
- FDA: Food safety for pregnant women
- NHS: Foods to avoid in pregnancy
- FDA and EPA: Advice about eating fish
一般的な情報であり、医学的な助言ではありません。必ず医師や助産師の指示に従ってください。
更新履歴
- : 英語版ガイドからの翻訳です。